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『上手だけど心に響かない歌』の原因が判明!感情表現の秘密に迫る【物理的距離感】×【心理的距離感】

『上手だけど心に響かない歌』の原因が判明!感情表現の秘密に迫る【物理的距離感】×【心理的距離感】

『上手だけど心に響かない』

 

歌が上手に歌える人こそ、こんな事を言われてしまった経験が一度くらいはあるのではないでしょうか。
一方で、あんまりテクニカルではないけれど、心に響く歌もありますよね?

本日はこの原因を徹底解説していきます。
キーワードは『心理的距離感×物理的距離感』です。

 
今日の話をしっかりと自分のモノにできれば、もっている技術をきちんと使って、相手に届く歌を歌えるようになりますよ。
 

物理的距離感×心理的距離感のマトリクス図

歌を『相手に気持ちを伝える手段』と定義するとします。(そうでない音楽も沢山あるのですが話がややこしくなるので除外します。)上の図をマスターすることでしっかりと気持ちを伝えられる歌が歌えるようになりますよ。

歌も日常生活と同様に相手との距離感が重要です。これを『物理的な距離感』と『心理的な距離感』に分類して考察していきましょう。

物理的距離感

文字通り、どのくらいの距離にいる人に話しかけているかという指標です。

各距離にいる人を想像して「だいすき」と声をかけてみましょう。

・ベッドで隣に寝ている人
・となりのデスクにいる人
・信号の向こうにいる人

いかがでしょうか。

音量の変化
当たり前ですが、音量は違いますよね?ベッドで隣に寝ている人に絶叫したらぶん殴られると思いますし、信号の向こうにいる人に囁いても聞こえないです。その距離感ごとに適切な音量というものが存在します。

言葉の変化
音量以外にも変化するものがもう一つあります。それは言葉の使い方です。遠い人に何かを伝える時は、口を大きく開きましたね。自然と母音の変化が大きくなります。もしかしたら、口を大きくあけたのと連動して『だぁいすき』と途中の母音を伸ばすことをしているかもしれませんね。一方で、小さな声で話しかけるときは子音が際立ちます。音量が小さい分、子音を立てることで伝達に不備がないように工夫しているのです。

心理的距離感

こちらはどのくらい、その人に感情をぶつけるかという指標です。

言語と母音の変化・抑揚
恋人に語りかける時と職場の同僚に語りかける時では全くことなる話し方になりますね。感情が強く入る相手との会話は、物理的な距離感にかかわらず、より豊かに母音が変化し、それに合わせて音量的な抑揚が自然とつきます。

心理的距離感の不一致
ちなみに『そっけない対応』や『ストーカー』というのは、心理的距離感の不一致が引き起こす現象です。この距離感の難しいところは、相手との距離感が必ずしも一致するとは限らないというところです。不一致は不自然な表現として聞き手に捉えられます。ここの精査が歌唱の中で抜けると、不自然と捉えられてしまいます。声がでかい系の歌うまシンガーは心理的距離を測り損ねることがよくあります。

物理的距離感×心理的距離感

距離感は、物理的・心理的なものの掛け算です。それぞれのパターンを見ていきましょう。

パターン1 恋人の距離

心理的距離、物理的距離ともに近い関係性です。感情的には強いのですが、音量はあまり大きくなくて済みます。情緒あふれる、語りかけるような歌い方になることが多いです。
心の中の人。思い出の中の人に語りかけるような歌い回しもこの距離感に属します。ラブソングのAメロ部分はこの距離感で歌われることがおおいですね。個人的には心理的距離詰めすぎな気もしますが、トリセツ(西野カナ)もここに属する歌と言えるでしょう。

パターン2 失恋の距離

心理的距離は近いのですが、物理的距離が遠くなります。音量も大きく、母音の変化も激しいです。366日(HY)や、Hello(Adele)、海の声(浦島太郎)などをイメージしてもらうとわかりやすいです。図の左上に近づいていくほど『絶唱』と形容されるような状態に近づいていきます。ゴスペルなど神様へ声を届ける音楽もこの距離感に属していることが多いです。

パターン3 やっほーの距離

物理的距離、心理的距離ともに遠くなります。音量的には大きいですが、細かい気持ちの変化を伝える必要がないので、母音の変化はパターン2ほどではありません。そもそもPOPsで使われる機会は少ないかもしれません。相手に気持ちを伝えることが重要でない曲はこの距離感の歌唱に近くなります。ふるさとなどの童謡や、合唱曲など、ハーモニーやメロディラインの美しさを強調するジャンル。もしくは、アルプスの少女ハイジの「教えてーおじいさん♩」や、海 その愛(加山雄三)、あの鐘を鳴らすのはあなた(和田アキ子)などは、この距離感での歌でしょう。

パターン4 面接官の距離

物理的距離は近いが、心理的には大きく隔たりがあります。歌で使われる機会はさらに少なくなります。だって、心理的な距離感があるのに、物理的には近いって惨劇ですよね?笑。でも、感情表現のコントロールが未熟だと、いつの間にか一本調子な歌になり、パターン4になってしまっている可能性があります。気持ちを伝える歌を歌うときはこのゾーンには入らないように注意したいですね。

まとめ

距離は動的変化をしている

それぞれのパターンの中をもっと細分化させていくことができます。フレーズごと、歌詞ごと、単語ごとに距離感は変化します。ロングトーンの中でさえ変化することもあります。近いか遠いかといった静的なポジションニングをとることは殆どありません。マトリクス図の中でどこにいるのか。そして、どの方向に今動いているのかというのを常に感じる必要があります。

『上手なのに歌が届かない』は距離感近い説

上手なのになんだか歌詞が届かない人というのは、本来聞き手が心地よいと感じる距離感よりも近いところで歌ってしまっているケースが殆どです。声がでかすぎる。感情込めすぎる。ボーカルテクニック的に色々なことが出来てしまうからこそ、心理的にも物理的にもちょうど良い距離感におさまれない病気にかかってしまっています。
一方で、地味だけどいい歌を歌えるシンガーも身の回りにはいると思います。こういった方々は、適切な距離感をとるのがとても上手です。自分が得意なゾーンをしっかりと把握しているので、その距離感の中で歌える曲をチョイスすることができます。話はそれますが、イケメン、美女は距離詰めとけばOK的なところも多少あります笑。ちょっと悲しい気持ちになるかもしれませんが事実です。

歌もコミュニケーション

どのくらいの距離の相手に声をかけようとしているのか。そして、その人との親密さ(心理的距離)はどの程度で、どのくらいの感情(言語表現)を込めるのが適切なのかを知るというのが大切です。感情表現のマトリクス図の中で自分が今どの位置にいるのか。曲の中でどうやって変化させていったらいいのか。そして、それを聞く第三者とずれが生じていないか。こうやってまとめるてみると、実は普段のコミュニケーションでやっていることと同じなのです。特に英語の曲を歌うときはこの意識が散漫になる人がとても多いので要注意です。


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