
泣きのテクニック
あまり意識されない歌いまわしの一つですが、多くの歌手が要所要所使っています。
泣きのテクニック=フレーズ内、もしくはフレーズの終わりにh音を含む、声の裏返りを起こすテクニックです。嗚咽していると同じ声帯の状態なので泣きのテクニックと名づけてあります。
度合いにもよるのですが、感情表現としてはかなり強い部類に入ると言えるでしょう。
まずはどんなものかを共有するために、HYの366日を参考に確認していきましょう。
HY 366日
Spotify
apple music
366日
カテゴリ: ロック
解説
00:52
もどれ△ないとしってても
つながっていたくて
01:03
はじめてこんなきもちになった
たまに△しか会うことできなくなって
くちや△くそくはあたりまえ
02:12
それでも△いいと思えた恋だった
いつしか△あなたは
あうことさえこばんできて
03:00
こわいくらいおぼえてる△の
03:35
恋がこんなに△悲しいなんて
思わなかったの
ほんきで△あなたを想って知った
04:18
こわいくらいおぼえてる△の
04:56
もう二度と戻れな△くても
参考:絢香 beautiful
06:02
不器用な△愛であなたへと心つなぐよ
ここぞとばかりに一発だけ使用しています。
しかもかなり強烈な一発です。
感情の高まりを感じます。
参考:MISIA Everything
04:43
愛せるちか△らを勇気に
06:15
優しいうそ△ならいらない
絢香以上に強烈な一発が笑。
MISIAはライブだと泣きを多用する傾向があります。
この映像内で他にも使用している箇所はたくさんあるので探してみてください。
泣きテクについて
泣きテクは大きく分けて2パターンあります。
*厳密にはグラデーションなので、明確に分けることができませんが便宜上。
すすり泣き
366日原曲音源でのHY中曽根さんはこちらのパターンですね。
Aメロやサビのおとなしい部分でさりげなく使うことで、切ない気持ちを表現しています。
すすり泣きをそのまま歌に持ってきたと思うと良いでしょう。
また、あまり詳しくないので参考程度にとどめて欲しいのですが、沖縄民謡(島唄)ではこの声の裏がえりを多用します。
中曽根さんの出身が沖縄なので、沖縄民謡の影響を多分に受けていると考えれば、一概にすすり泣きという枠組みでこの歌いまわしを捉えるのは間違っているかもしれません。
嗚咽号泣
MISIAや絢香がつかっているのはこちらです。
嗚咽号泣の泣きテクはかなり癖の強い歌いまわしです。
サビの盛り上がりや、感情の高まりで多発しそうになるのですが、かなりヒステリックな印象になるので、自分のイメージと乖離がないように数を調整しましょう。
ちなみに、ライブ版だと中曽根さんは高音域フレーズの語尾が7割くらい嗚咽系になります。
まじでしつこいので、共感できるかは好みが分かれるところです。
泣きテクの練習について
この記事をご覧の皆様は2パターンに分かれると思っています。
1泣きテクができない人
是非、練習してみてください。
嗚咽号泣パターンの方が難易度が低いです。
とりあえず嗚咽号泣してみて、感覚を掴んでみましょう。
ただし、裏声寄りの軽い発声の人はそもそもこのテクニックと発声の構造上相性が悪いので、かなり苦戦するかもしれません。
2泣きテクが天然で出来る人
おめでとうござます。さすがです。
しかし、余計なところでこのテクを使いすぎていないか自分の歌を録音してチェックしてみましょう。
この歌いまわしが癖になっている人がとても多いです。
感情とリンクしていればいいのですが、発声がコントロールできていない重い地声だと、語尾の処理が嗚咽号泣の泣きテクになりがちです。
まとめ
便宜上テクニックと名づけていますが、「激しく動く心」と「歌声」をつなげうる素敵な表現手段です。だからこそ、CD音源では使っていなくても、ライブになると沢山でてくる歌いまわしだったりもします。
音源の聴き比べの際には是非注意して聞いてみてください。
また、嗚咽号泣するような体験をすることがあれば、これは歌がうまくなるチャンスだ!と前向きに捉えることも。。。
できませんね笑
アーメン。
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