
【フェイクの秘密】必殺母音変化→最高にカッコイイフレーズの完成
フェイクができないという悩み
ボーカルトレーナーをしていると、こんな悩みにぶち当たっている生徒さんと沢山出会います。
かっこいいフェイクがしたい!
フェイクってどうやってやるんですか?
音は辿れるようになったけどイマイチ納得いかない。
先生フェイクってなんですか!
などなど、出来ない人にとってみれば摩訶不思議超常現象ですよね笑。
僕のフェイク童貞は中学生の時にマライアキャリーに奪われました。
Vision of Loveの途中のやつなのですが、何やっているのか意味不明で諦めたのを覚えています。
というわけでフェイクってそもそもどんなもので、どうやったら習得できるのか。というのが本記事のテーマになります。
そもそもフェイクってなんやねん
明確な定義はないので、ざっくり広く捉えましょう。
自由に母音・子音を用いて行う、細かい節回し
上記のようにして、一旦話を進めましょうか。
文字だけだと実感ないかたも
二つほど例を出してみますね。
Christina Aguilera Ain’t no other man
0:40~ イントロ化物フェイクです。攻略難易度SSS
まぁこれは超極端な例です。
日本人できれいにたどれているシンガーはほぼ見たことないです。わたしも一ヶ月くらいかけて練習した覚えがありますがそれでも9割程度の完成度です。
清水翔太 花束のかわりにメロディーを
0:58~サビ部分 フェイク=(F)
花束のかわりにメロディーを(F)
抱きしめる代わりにこの声を
いつも遠くから(F)
君を見ていた(F)
でも今日は僕を見つめて
クリちゃんのようにアクロバティックかつ長めの尺のものもありますが、シミショー先輩のようにちょっとした節回しもフェイクと呼んだりします。どっちもかっこいいですね!
日本語の歌ではシミショー先輩バージョンの方が頻出ですのでご安心を。
本日はさかいゆう大先生の薔薇とローズ1番終わりにでてくるフェイクを題材にしたいと思います。
シミショー先輩とクリちゃんの間くらいのフェイクです。
さかいゆう 薔薇とローズ
02:10
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薔薇とローズ
カテゴリ: J-Pop
音程の確認~フェイク練習の手順1~
まずは音程を確認します。
一見超絶難しいことをしているように聞こえますが、殆どの場合、きれいに音程を辿っているだけです。(ただ少しスピードが速いだけで、、、笑)
ハヤえもんやYouTubeの再生速度を変更機能を使って、しっかりと音程を捉えるのがフェイク練習の第一歩です。
徐々に原曲のスピードで再現できるように練習しましょう。
反復あるのみです。
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今回はYouTubeの再生速度0.5倍速で確認したところ、下記のような音程であることが判明しました。
ドレミソ ミ♭レド レド
まずはこれを原曲通り辿れるようにしましょう。
音程を音名で認識するとスムーズに練習が進みますよ。
ピアノアプリでポチポチ押しながら確認してみるのもよいですが、音名がわからなくても声で辿れればOkです。
母音の確認~フェイク練習の手順2~
音程が確認できれば半分は完成です!
ここからがカッコイイフェイクの肝になりますので、心して読んでください!
フェイクのかっこよさを決めるのは母音です。
なんとなーくダサイの原因は8割は母音をしっかりと追えていないことです。
*残りの1割はシンコペーション出来ていないケース、もう1割は発声能力が追いついていないケースなんですけど、ややこしくなるのでそれはまた別の機会に。
さかいゆう大先生フェイクの母音
ドレミソ ミ♭レド レド
wo1u~ wo2~ o3 o4 o5 o6 o7
文字にすると全てo母音なのですが、実はこの7つの「o」全部響きが違います。
o1とo2
o2の方が、o1と比べて少し潰れた母音になっています。
比較するとすこし「あ」に近づいているのに気がついたでしょうか。
o3~5
かなり細かく動くこの3つのoですが全て母音の響きが微妙にことなります。
後半に行くに連れて、下記のように変化します。
「あ」寄りの「お」→「え」と「う」の中間のような「お」→「お」
o6とo7
o5の「お」より、更に「お」寄りの「お」になっています。
そこからさらに深い「お」へとo7で変化しています。
というわけで、文字だけみていると頭がおかしくなりそうですが、まとめるとこういうことです。
カッコイイフェイクは母音が細かく変化する
無理くり母音の細かい違いを言語化していますが、基本的には聞こえた通りに発音すればOKです。
こちらも再生速度を落として、ゆっくり確認していきましょう。
聞こえた通りじゃなくても母音変化さえあればそれっぽく聞こえる説
本日の記事の一番言いたいことはこれです。
フェイクは聞こえた通りじゃなくても、母音の変化さえあればそれっぽく聞こえる説
というのを昔から唱えております。
元も子もない言い方をすれば、口をパクパクさせて、母音を適当に混ぜればかっこよくなります。
まったく母音変化のストックがない方は根気強い方はコピーから始めることをおすすめしますが、ある程度なれているシンガーであれば、ぜひオリジナルのフェイクにもチャレンジしてください。
一本調子の母音でさえなければOKです。
さて、この説が真(true)だとして、何故母音が変化するだけでそこそこカッコイイフレーズになるのか。
あくまでも私の考えです。
言語に縛られないはずの表現なのに、言語が見えると興醒め
ということではないかなと思っています。
つまり、薔薇とローズのフェイクも「をおうーをおおおおおおお」と、平仮名に脳内変換されてしまった時点で台無しなのです。
MISIA Everythingのイントロ最強説
だからMISIAのEverythingのイントロのフェイクが最強なのです。
特に複雑な事しているわけではないのですが、使っている母音が絶妙すぎて声にすら聞こえないという笑。
いまだにイントロのMISIAの声を楽器と勘違いしている人たくさんいるのではないでしょうか。
私自身も5年間くらい、ストリングスか何かの楽器の音だと思っていました。
伝わらない人ごめんなさい笑。
まとめ
フェイクは必須テクニックではない
ここまで説明しておいてなんですが、
フェイクは100%必要な技術ではないです。
例えば奥華子さんとかフェイクしないですよね?歌詞が前面にでるようなシンガーソングライターはフェイクを使わない人もたくさんいます。
一方で、好きなジャンル、チャレンジするジャンルによっては、できないとお話にならない重要テクニックなので、思い当たる方は頑張りましょう笑
R&B、SOUL、GOSPEL、演歌なんかのジャンルでは必須ですね!
*演歌ではフェイクの事をこぶしと呼んだりもします。
なぜ人はフェイクをするのか
フェイクできるとカッコいいんだよほんと。
歌って色々な感動要素があって、歌詞だったり、メロディーだったり、ハーモニーだったり、リズムだったり!
その中でもアクロバットでエンターテイメントな要素がフェイクだと思っています。
びっくり人間SHOW的なものなので、芸術というよりはスポーツに近いかも?
ホームランすげー!!
何その神ドリブル!!
的な。。。笑
だから、小賢しくて嫌いとか、うるさい歌い方とかって嫌われる人には嫌われると思います。
でもまぁ、音楽の何に惹かれるかは人それぞれなので、我が道を行けばいいのではないかなと。
エンターテイメントじゃない、フェイクのもうひとつの側面としては、宗教的な要素だったりとか、自由や感情を表現する手段だったりとか、様々な文化的、生物的背景をもつようなものがあると思うのです。しかし、こういったところはまだまだ勉強不足。
そこが歌の魅力とどう結びついているのか。
それは我々に再現可能なことなのか。
こういったところは今後の研究テーマです。
フェイクは自分にとって、歌にのめり込んだきっかけでもあったので、このテーマは書きたいことがいくらでもあるのです。
なので、そのうち需要以上に記事が充実し始めるとおもいます笑。
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