
みなさんミュージカルはみたことありますか?
レントやオペラ座の怪人、ラマンチャの男、ジキルとハイド、ライオンキング、リトルマーメイド、ウィキッド、メリーポピンズ、アラジン、CATS、コーラスライン、ジャージー・ボーイズ、キンキーブーツ、アニー、天使にラブソングを、テニスの王子様、弱虫ペダルetc
色々なスタイルのミュージカルが公演されています。歌を歌っている人であればぜひ一度劇場に足を運び、ミュージカルを体感してほしいです。ストーリーとセリフ、ダンスが『歌』と調和するからこそ魅せられる世界観というものがそこにあります。この独自文化の中で熟成された『ミュージカルソング』を歌うことで、あなたの表現力の幅が一気に広がります。
本記事ではそんなミュージカルソングを練習することで得られるメリットと、JPOPソングとの比較を通じて、歌の共感の仕方の差異を明らかにしています。
ちなみに、あまり馴染みのない人からは、日常生活の中で人間が急に歌い出しちゃうのが意味不明!って言われちゃうこともあったりします笑。
とっても悲しい。涙
そんな人も抵抗感なくミュージカルの世界に触れられる作品紹介も記事後半でしているので、ぜひ最後まで目を通してください。
ミュージカルって何?
ミュージカルと聞いてみなさんがパッと思い出すのは劇団四季でしょうか。
劇団四季ではディズニー映画を劇化した公演(ライオンキングやリトルマーメイド、アラジン等)が大ヒットしていますね。
演劇の中でダンスや歌、セリフが一体となる芸術作品のことをミュージカルと呼びます。基本的には舞台上で行われる演目を指す言葉なのですが、ミュージカル映画と呼ばれるジャンルも増えていますね。マンマミーアやヘアスプレーなどはそういった類のものですし、レミゼラブル、アニーなどは元々演劇だったものが映画化しましたよ。また、そうなってくると2Dではありますが、ディズニーアニメもストーリーと歌が一体となっている点からミュージカル系のアニメとして捉えることもできます。
また、漫画作品のミュージカル化も大ヒットを続けています。テニスの王子様や弱虫ペダルなどが舞台化され、今までのミュージカル視聴者層とは違うファンを獲得しています。
歌とストーリーが一体となっている芸術作品やエンターテイメントは至る所で作られているのです。
ミュージカル歌唱の特徴
言葉の明瞭さ
日本語、英語問わず、歌詞が台詞の一部になっているので、聞き取りやすいよう発音されます。母音に明確な差をつけ、子音をしっかりと立てることで、ストーリーの展開を聞き手が逃さないように配慮しています。マイクなどの音響技術発達に伴い、この要素の占めるウエイトは少しずつ下がっている可能性はあります。
0:48~「毎日朝から晩まで」「ぼくを信じて」のようにかなり大げさに発音していますね。セリフ部分を例にとりましたが、歌唱も同様です。広い劇場ではこのくらいはっきりと喋って、初めて観客全員に言葉を届けることができます。劇団四季には四季メソッドと言われる発音に関する厳しいルールと練習法が存在するのは有名な話です。
言葉の明瞭さはミュージカルソングを歌う上では必須の技術です。
豊かな声量
ミュージカルの代表曲はアンサンブル(コーラス)+リードボーカルの構図となることも多いです。リードボーカルがコーラスに負けないためには豊かな声量が必須です。デシベル上の音量はもちろんですが、それ以上にシンガーズフォルマントと呼ばれる倍音成分(2500〜3500Hz)を豊かに発生させる必要があります。ミュージカルスターになるにはこの能力が必須と言えるでしょう。
こちらも音響技術の発達に伴い少しずつカタチを変えていく可能性が高いですが、リハーサルや稽古からフル音響の設備を使っているとは考えにくいので、しばらくはこの傾向が続くでしょう。豊かな声量はミュージカルソングを歌う上で必要な能力と言えます。
感情の起伏が大きい
ストーリーの一部に歌唱が組み込まれるため、J-POPなどの楽曲に比べて、より激しい感情を訴える内容の曲が多いです。ものによっては嗚咽しながら歌うような曲もあります。歌謡曲のレッスンで「感情をこめて!」というような指導もよくみられますが、そもそも日常生活で感情の起伏なんてそんなにあるわけがないですよね。そんな人はミュージカルソングで感情の大きな波を感じてみましょう。参考動画はWickedの自由を求めて。アナ雪、Let it goの声優を務めているイーディナがすごい顔して歌っています。
異質なものとして生きてきた魔女が全てを捨てて孤独を選ぶ瞬間の楽曲です。決意の曲であり、絶望の曲でもあります。そんな感情って歌謡曲では歌われることがほとんどないですよね?でも、ミュージカルソングにはこんなスケールの楽曲が沢山あるのです。日常では味わえないような感情の起伏を仮想体感することができますよ。
好き嫌い分かれる理由
ミュージカルソングが愛される理由
ストーリーに楽曲が組み込まれるため、歌の背景が必ず見えるのが特徴です。歌い手がどのような状況に置かれ、どのようなキモチで歌っているのかを聞き手が必ず知ることになります。真っさらな状態で歌詞と歌声だけ共感させなければいけない通常の楽曲に比べると凄まじいアドバンテージがあるのがご理解いただけると思います。
失恋直後の歌だと思うと絶望します。ストーリーを知っている人だけが共感できる絶望がここにはあります。
ミュージカルアレルギーの方がいる理由
上の理由の裏返しになります。ストーリー自体に共感できない人は歌にも共感できないでしょう。また、ストーリーがわからずに、楽曲だけ聞くと、あまりの感情の起伏の多さについていけないという可能性もあります。このことから、J-POP・歌謡曲のいいところが見えてきます。真っさらな状態で歌詞と歌声で表現するからこそ、共感の幅、解釈の幅が残ります。想像の自由が与えられるので、より広い層に受け入れてもらえる可能性があります。
ストーリーがわからないと、派手な衣装や極端な歌い回しばかりに目がいってしまうかもしれませんね。
ミュージカルの楽しみ方
初心者にはジュークボックス型ミュージカル映画がオススメ
ジュークボックス型というのはマンマミーアのように原曲アーティスとがいるミュージカルです。マンマミーアはABBAの楽曲に合わせてストーリーが組み立てられています。耳馴染みのある曲が流れることでミュージカルの世界観をすんなりと受け入れられると思いますよ。若干世代が限定されるかもしれませんがムーランルージュもオススメ!Lady marmaladehは若い子でも聞いたことがあるかも?ぜひチェックしてみてください。
ディズニー好きはちょっとだけ冒険してみてほしい
ディズニー好きな人はミュージカルも好き!っていう人多いと思います。そもそもディズニー映画も音楽とストーリーが一体となっているものが多いので、抵抗感なく世界観を楽しめますよね。ただ、こういったタイプの方は言うほどディズニー以外のミュージカルに手を出している人が少ない印象です。レント、アニーあたりは映画化もされていて、ストーリーもわかりやすいのでぜひそういったところも攻めてみてください。きっと世界が広がりますよ。
ストーリーだけググるのもあり
劇場に足を運んで体感してもらいたいのは山々なのですが、それはちょっとハードルが高いと言う人は、ストーリーをググってみてください笑。その楽曲がどのような流れで演奏されるのかを知るだけでも、ミュージカルソングを楽しめるかどうかが大きく変わります。英語公演を理解するためにメジャーなモノはほぼ解説があるので、ぜひ調べてみてください。そんなこんなしてるうちに劇場に足を運びたくなるはずです!
世界で一番歌が上手い人が集まるブロードウェイ
洋邦POPs・歌謡曲のシンガーというのは楽曲や容姿など各々でありとあらゆる魅力づけをすることができます。歌唱力だけが武器ではないのです。しかし、ミュージカルスターは違います。決められた楽曲、衣装、ストーリーの中で、歌唱力一本で勝負しなくてはいけないのです。しかも、その一役を巡って何百人と言う人がオーディションを受けることだってあるのです。歌唱力・歌のうまさと言う意味では化け物クラスが集まってくるのは当然でしょう。そしてそれが一番熾烈なのがブロードウェイミュージカル。私も4作品(ライオンキング、ウィキッド、メリーポピンズ、マンマミーア)現地で見たことがありますが、歌声を聴くだけで涙が流れてくるくらい凄まじいパワーを感じました。最近では定期的にブロードウェイのキャストで日本公演を行なっているので、チケット情報は要チェックです。
まとめ
ミュージカルソングを練習することのメリットは3つ
世界最高峰の歌唱力をお手本にできること
日常では使わない幅の言語的抑揚を学べる
日常では使わない幅の感情的抑揚を体感できる
ミュージカル的歌唱は、POPsで使うと不自然なくらいの抑揚をつけた表現になってしまいます。しかし、100できる人が80をアウトプットするのと、80しかできない人が80をアウトプットするのは聞き手の印象が違います。普段どんなジャンルを歌われる方も、ぜひ自分の表現力の底上げのためにミュージカルソングにもチャレンジしてみてください。
追伸
私が世界で一番好きな曲がWickedの自由を求めてです。ストーリー上の展開、演出、楽曲、歌詞全てが最高。もう一回生でみてぇぇぇぇぇぇ。
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いつも楽しみに拝見させていただいてます。
私はアカペラをやっている大学四年生なのですが、就職を控えアカペラが一区切りになる今、いまいち歌を練習する気も起きずにいたのですが、このブログに出会い今まで考えもしなかった解釈に触れたことで、一生上手くなり続けようと思うことができました。
もし取り上げていただけたら嬉しいのですが、EXILEファミリーの歌唱は、どこか共通性があるように昔から思っていました。
LDH系ヴォーカルの特徴などを特集していただけたら嬉しいです。
最近はこのブログのおかげで、色んなことを考えながら曲を聞く癖がつきました。また気になることがあったらリクエストさせてください!
今後も楽しみにしてます!
こんにちは。
コメントありがとうございます。
”いまいち歌を練習する気も起きずにいたのですが、このブログに出会い今まで考えもしなかった解釈に触れたことで、一生上手くなり続けようと思うことができました。”こんな嬉しいコメントはありません。とても励みになります。
私もアカペラをやっていたので何となく気持ちがわかります。卒業したら終わり。就活だから中断。周りもそんな空気だったので、どうしてもモチベーションが上がらないこともありますよね。ただ、忙しくなればなるほど人間は支えが必要だと思います。必ずしも歌じゃなくてもいいとは思いますが、折角積み上げたものがあるなら、歌に頼るのも悪くはないかなと。外に発表する機会からは遠ざかるかもしれませんが、だからこそ楽しめる歌の形もありますよね。
LDHのボーカル特集リクエスト承知しました。
需要あるトピックだとおもうので今度取り上げてみますね。
これからも何かあればぜひコメントください♩